櫻吹雪
─────────…


ザワザワ…


「聞いたか??」


「ああ。あのRED SKYが櫻祭にやられたらしいな…」


ザワザワ…


「幹部全員ボコボコだってよ…」


「2人病院送りらしいな…」


「でもハサミ兄弟の弟は負けたらしいぜ…」


「マジかよ!?…─」


…ザワザワ…



たくさんの噂話が飛び交った。



この前の奴ら・RED SKYとのケンカで。


やがて屋上に集まる人数が増えた。



ケ「……zzZZ」

暖かいところでグッスリ眠る者。


レ(…総長…マツリさん…総長…マツリさん)

可愛らしく花びらをちぎる者。


ヒ「よっしゃー千円な!」

ス「くっそぉお!!!!」

暴風のように叫ぶ者。


ス「ははは!」

ス「ったく…何やってんだ…」

それを見てあきれ笑いをする者。


サ「いってぇって!
触んなバカ!」

サ「ひひ!腹に飛び乗るぞ!」

まだ傷の癒えていない者。
それをからかう者。


ス「…綺麗だなぁ…」

空を、眺める者。




アタシの周りに
たくさんの人が増えていく。


暖かい居場所に。


守りたい物が増えていく。


アタシの心に。


守り抜くために強くなりたい。


ただ、ただ


守りたいから…。



────……………

ガチャッ


サ「弥生ー、行くよ」

弥「わかってんよ!」




きっとそれは

アタシの夢に近づく

“一歩”。







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