櫻吹雪
弥「……………、」


近所の公園の噴水所。


階段に座って花壇に咲く花を眺めてた。


近くには同い年くらいのカップルが見えた。


「嫌だよ…別れたくないよ…!」


やば…修羅場?


「うぜーんだよ!騙しやがってブス!」


恋愛か…あほくさ。


「どうして…」

「泣いてんじゃねーよ!」


バシッ!!

「…きゃ…、」

「お前にどれだけ金使ったと思ってんだよ!

ブスだって知ってたら付き合うわけ…」


弥「…おいコラ」


「あ゙ぁ!!!??」


バキッ!!!


弥「泣いてる女殴るのが男のすることか!!!!???」


「ゔ…」

「違うんです!ごめんなさい!」

弥「なんでアンタが謝るんだよ」


「彼は何にも悪くないんです…アタシが…ブスだから…」


目の前の彼女は
誰が見ても納得するほどの美人だというのに。


弥「…納得いかねぇなぁ!」


バキッ!!!


彼氏の腹にもう一発入れたら
2人は慌ててその場をあとにした。



─────────…

アタシはまた階段に座って1人考えていた。


恋愛…か。

最近しなくなったな。


アタシにも彼氏がいたことくらいはあったけどね。



それにしても寒いし…

マツリはむかつくし…



弥「いいことないなぁ…」



その時、噴水がライトアップされて綺麗に水を噴いた。


わあ…綺麗…


思わず綺麗で写メをとった。


勝手に指が動いて
メールの宛先は

“マツリ”

そうなってた。


すぐに消そうかと思ったけど。



消せなくて。


だって綺麗な景色も

全部マツリと一緒に見てきたんだから。



弥「…マツリのバカ」
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