櫻吹雪
「誰がバカだよ。」



その時。


シャー…


階段のサイドにある噴水も

綺麗なライトに包まれて水を噴いた。



時計は0時を指していた。



上からは紙吹雪。



「HappyBirthday!」



後ろから聞こえた声に振り向くと…



弥「…マツリ…、」



ニカッと笑うマツリがいた。


マ「ったく噴水とか
俺ちょーキザな感じになってね!?

ドラマかよってな!!」



弥「何で…、」


マ「何でって!
今日お前の誕生日だろ!」


弥「…へ…?」


アタシに…誕生日なんて…

ないはず。



弥「今日はマツリの……」

マ「もう日付変わったよ」



優しい目でアタシを見つめるマツリ。


弥「え…」


マ「2年前お前言ったろ?」




──────────
弥生、中2


弥「何かはみ出てるよ
ポケットから」


ボロボロになって
倒れてるアタシ。


目の前の敵のポケットからは


14とかかれた手作りのメダル。


マ「…ああ、昨日誕生日でよ。
チビの妹が作ってくれて…入れっぱなし」

弥「…誕生日か…あほくさ…」

マ「…お前俺のダチになれよ。」

弥「はぁ?」

マ「俺も一緒に…“最強”
目指すからよ」


弥「…………」


───…


マ「そういえばよ、お前の誕生日はいつだよ」


弥「ないよ」

マ「はぁ?」

弥「知らないんだ」


マ「………、」


弥「強いて言うなら今日にする。」


マ「?」



弥「“アタシ”が
生まれた日。」




─────────…


そんな昔のこと…



弥「…覚えててくれたんだ…」



マ「弥生!」
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