櫻吹雪
弥「…わかんねぇ…」

イ「…………チッ…」



弥「…ねぇ…」

イ「あ?」

弥「何でそんなキレてんの…?」



逢ったことはあったとしても
決して親しく会話なんかしたこともないだろう
ストールとイッシ。

あくまで『他人』。


なのにどうして
アタシの話を聞いただけでこんなに…?





イ「ダチのダチだからだ!」





イッシはアタシを
真っ直ぐに見つめて

一言だけそう言った。


“尊き王”


こいつにつけられた名を
初めて理解した瞬間だった。



イ「まあ…お前そんなに落ち込むなよ。

俺も探すの協力すっからよ。
うちの者にも探してもらうし。」


弥「…………」


イ「見つけたら…思いっきりぶん殴ってやれよ!!!」



イッシは
屈託のない顔でニコッと笑った。




弥「…………ありがとな、」

イ「気にすんな!」




そこでアタシたちは分かれて、それぞれの進む道に進んだ。


アタシが向かった先は…病院。





─────────…



ガラッ…───



ドアを開けると、眠たそうな視線がアタシに向けられる。



弥「…ストール…!?」


びっくりして、あわててベッドに駆け寄った。


ス「…うっ…、…やぁ…ちゃん、」


無理に起き上がろうとするストールを止めた。


弥「無理すんなよ!」

ス「…へへ、ボロクソやられてやんの…」

弥「…………、」


ス「…情けね…、」


弥「…………っ、」


アタシの目を見ないで、力無く笑うストール。

嫌だ。

仲間のこんな姿…

見たくねぇよ…。
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