ＬＯＶＥ電波発信中

「乃藍ーっ、一緒に帰ろうっ♪」
「うん、帰ろっ」
私は、自慢のブロンドの内巻き盛りボブヘアーを、自慢のネイルでいじりながら答えた。
鈴代乃藍(ｽｽﾞｼﾛﾉｱ)
高校三年、受験生だ。

そして、今話し掛けてきたのが杉之 笑実(ｽｷﾞﾉ ｴﾐ)あたしと同じく高３の受験生。
進級して１ヶ月。
桜が散りきらない、中途半端な季節。
クラス替えとかあったけど、笑実みたい友達も出来たし、勉強もそれなり。全てが順調そのものだった。

「寄り道は、禁止されてるだろ～」
「ぅわ、でたよ関本ー!」
笑実とあたし達の会話に入ってきたのは、担任の関本……稜(ｾｷﾓﾄ ﾘｮｳ)。