何度もキミに恋をする
「はじめまして、俺今12やねん。そっちは?」

そう言って杏に話し掛けてきた。

「杏、も12歳…」

あまりの笑顔に思わず気おされてしまった。


「ほな同じ学校やな!杏、よろしく~」

ニカって笑う蒼。

「あ、これ、ごあいさつに!」

そう言ってあたしは夏美さんに紙袋を手渡した。


「あら、ほんまええのに~。ありがとな~」

「では、そろそろ失礼します。よろしくお願いします。」

え、もう帰るの?

蒼ともっと喋りたいのに。


「ねぇ、パパ。もうちょっと蒼と喋っちゃダメ?」

パパは悩んだ顔をした。

えぇ~ダメなの?

「あんまり遅くならないうちに帰ってくるんだぞ。」

そう言って笑ってくれたパパ。
ありがとう。

「うん。大丈夫。」

そう言ってパパに手を振った。
< 10 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop