何度もキミに恋をする
「ほな、オカン。杏とちょっと出かけてくるわ。」

そう言ってあたしの手をとる蒼。

「気ぃつけなさいよ~。」


そう夏美さんが言ったとたん、蒼はあたしの手をとって走り出した。

「ちょ、蒼待ってよぉ。」

杏、走るの苦手なんだけど…

「ええから走れっ!急がんと…」

急がんと…?


急がないと何なの?

走ること数分。


「ハァ、ハァ…そ、う。
一体何なの?」

ニタっと笑って、蒼は振り向いた。

「こっち見てみぃや。」

そう言って指差された視線の先には…


崖から見えるきれいな夕焼けが見えた。

「杏、どうや?綺麗やろ~。俺らの秘密の場所やねん。」

「俺ら…?」
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