何度もキミに恋をする
何で、複数形なわけ?

「萩(ハギ)、繭(マユ)、おるんやろ?でてきぃや。」


そう言って、蒼が右に見える森の方に呼びかけた。

「なんやぁ。ばれてへんと思うたんに。
バレとった?」

そういってでてきたのは、落ち着いた雰囲気の男の子。
黒縁のメガネが良く似合っている。

そして、背が高い。

ま、蒼もだけど…。

「あ、なぁなぁ。そこの可愛いい子ぉ、誰?」

もう1人、ふわふわの色素の薄い髪で、
小さくて、可愛い子女の子がでてきた。

「お前らが先、自己紹介せぇや。
杏がビビっとるやろ。」

「ふーん。杏ちゃんて言うんや。」

にこっと笑いかけてくれた女の子。


「うちは蓮崎 繭(ハスザキ マユ)。今度中学生になるんよ。
よろしくなぁ。杏ちゃん。」

そういって手を差し出してくれた繭ちゃん。

そっと手を握ったら、きゅっと握り返された。


「よろしくね。繭ちゃん。」
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