d e s t i n y
「マシロさあ、早く新しい恋しなさいよぉ!」
サユちゃんに背中をバシッと叩かれて、
少し涙目になりながらも、
「うるさいなー・・。」
と、反論するあたしは、
1コ上の先輩の卒業式、
そう、丁度1年程前に
想いも告げられず、失恋している。
「はーぁ・・。今頃、ヤス君は何をしてるのかしらぁ?」
「さあね。彼女とイチャイチャしてんじゃない?」
「ヤス君のイメージがぁぁ!!!」
ヤス君。
そう呼び、誰よりも慕ってた先輩。
高校がどこなのかも、
最後の最後まで聞けなかった。
他の先輩に聞けばいいものを、
聞かずにいたあたしもあたしだけど・・。
「うわー・・、あれ。ヤス君っぽくない?」
「うわー・・。似てますなあ。」