d e s t i n y
サユちゃんが指さすほうを見ると、
教室から顔を覗かせている先輩方の中に、
やたらとヤス君に似てる人が
こちらを見ていた。
「あの人にしとけば?」
「やだよ!何が嬉しくて好きだった人に似てる人を好きにならなきゃなんないのよ。」
まったくぅ・・。
と、呆れたように返すと、
「・・あれ、やっぱし。二階堂先輩じゃない?」
と、言うサユちゃん。
サユちゃんは、ヤス君のことを
二階堂先輩と呼ぶ。
ジーッと目をこらしていると、
先生が「早く校舎入れー」と、呼びかけた。