彼とあたしの秘密の事情

『わかりました。
 海外でも頑張って下さいね。
 応援してますから・・・』


きっと、そう言ってしまうだろう

もちろん、心の中ではいってほしく
ないと思っている


でも、あたしには凌さんの人生を選ぶ
権利はないし


凌さんにとってはあたしの存在は
それほどでもないのかもしれない


こう、思ったのは今日がはじめてじゃない


いつも思っていた

凌さんはみんなから期待されていて、
愛されていて・・・・

なのにあたしなんか、誰も必要として
いない


凌さんを必要とする人は、たくさんいる
今回の移籍みたいに・・・


そんな人があたしを!?
そう考えただけで、今の人生が夢なんじゃ
ないのかとなんども思った


このさい、いい機会かもしれない
凌さんにとってのあたしの存在は
どのくらいなのか・・・・













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