彼とあたしの秘密の事情

4月の上旬、わかなが3年生になり
俺が新しいシーズンを向かえてとき


「凌、お前にイタリアのチームから
 オファーが来ている

 これは、お前にとってもいい契約だと
 思うし、うちとしてもお前の意見を
 尊重したい。

 だから、お前も前向きに考えてみろ。」


そう、チームのオーナーから言われ、
手渡された契約書・・・


これは、俺にとって、願ってもない
チャンスだった


俺にオファーをくれたチームはこないだ
終わったリーグ戦で準優勝だった


世界のトップの人たちが集まって
最高の場所と施設でさらに向上する
ことが出来る


まだ、サッカーがヨーロッパほど
発達していない日本では、誰もそこの
チームにはいない


入りたくても、入ることの出来ない
いわば、サッカー選手の憧れのチーム


こんなことは、もう一生ないだろう
しかも、この歳で・・・




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