彼とあたしの秘密の事情

『だから、彼女が僕の移籍のことを
 知ったのは、みなさんと同じテレビ
 からです。
 
 だから、といって僕は彼女を信用して
 いなかったわけでもありません。

 
 むしろ、彼女がいなければ今、僕は
 ここにはいません。

 
 彼女は、僕の一番のファンでもあり
 僕にとっては、彼女なしでのサッカー 
 人生は絶対に存在しませんでした。

  
 今回、彼女に移籍のことを相談しなかった
 ことには、理由があります。


 僕が、移籍するか迷っている。といえば
 彼女は絶対
 
 《行って下さい。わたしは大丈夫ですから
  凌さんはどこに行っても絶対うまく
  行きます。 》

 そう言うことが分かっていたからです。
 
 
 彼女は、絶対《行かないでください》
 そうは言いません

 
 きっと、今ここで聞いても
 行ってください。そう言うと思います。 
 

 だから、僕は海外に移籍します。
 そして・・・・


 わかな・・ 
 君に約束します。















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