彼とあたしの秘密の事情

「ホントにごめんな。
 俺、明日日本に帰るから」


わたしの言葉を続きを避けるように
凌さんが言った


「えっ、本当ですか?
 本当に本当に凌さん、日本に帰って
 くるんですか!?」


これほど、待ち望んでいたことはない


4年も連絡がなかったのに
いきなり今日にあたしの夢がかなったと
いっても過言ではない


ここまで、いろんなことが起き過ぎると
あたしも夢ではないのかと心配になって
自分のほほをつねってみるけど・・


っ痛い!!


やっぱり、このことは本当なんだ。



「でも、空港とかに迎えにこなくて
 いいから・・・
 
 あの場所に・・・あの場所で待ってて
 

 じゃあ、明日な。おやすみ  」


凌さんは、そそくさとそう言うと
電話を切ってしまった。


わたしの、夢のような時間は風のように
過ぎ去っていった・・・・




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