ごめんね、ありがとう…先生

2.見送り

拓哉は時計を見た。

「まじ!?もう、こんな時間?ごめんな。香山」
「大丈夫ですよ」
「川口と今野も」

机回りを片付けながら拓哉は話していた。

「先生こそ、大丈夫ですか?」


拓哉は机の上の書類をどきどき床に落としていた。

「あぁ。大丈夫だ」



義樹がプリントを拾う。




沙依と鈴奈は静かに待っている。




(がちゃ)





「拓哉。帰ろうぜ」
「渡部先生」


渡部先生が入ってきた。


「お前ら、まだ居たのか?」
「はい」


「健一。今日は飲みに行かないからな」
「了解~」

(……行く気だろ)



いつも断っても結局行く羽目になる拓哉は理由を考えていた。


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