ごめんね、ありがとう…先生
2日後。

「沙依、どうしたの!?大丈夫?」
「うん……。多分」


沙依は顔がひどく腫れていた。


「もしかして……やられた?」

沙依は小さく頷いた。

「そう…」







その日の昼放課。
沙依の心は拓哉に会うことを拒みたかったけれど、体は正直だった。
いつものように保健室へ。



「大丈夫か?香山」
「だ、大丈夫です。伊能先生」








『心配かけたくない』
その思いだけでただ強かっていただけ。




本当は誰よりも先生に心配してもらいたかったんだ。
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