ごめんね、ありがとう…先生
そんなある日の夕方―
沙依は義樹達とニュースを見ていた。


『速報です。南町を中心に多くの中学生・高校生が暴行されるという事件に動きがありました。伊藤さん』
『はい。こちら、港警察署前です。犯人だと名乗り出た男が港警察署に出頭してきました』


『犯人は…』



「えっ……」









「どうして出頭してきたんだろうな」


テレビを消すと義樹はそんなことを言った。




犯人が出頭して来ようと、沙依をはじめとする被害者は心の傷は癒されるわけではない。

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