ごめんね、ありがとう…先生
第6章 空と雲
年が明け、三学期が始まった。





「おはよう」
「おはようございます」








あれ以来、会っていないいつもの先生がそこにいた。








「おはよう。香山」
「おはようございます」






沙依の後ろに拓哉がいた。








「一人?」
「はい。あ…クリスマスの日ありがとうございました」
「どういたしまして。渡部先生にもお礼言っとけ。チケットくれたの渡部先生だからさ」






冷たい風が頬に当たる。それでも、沙依の心は暖かい。


伊能先生の側に居ることが、とても幸せで心に暖かい風が入ってくる気がしていた。








「おはようございます」





後ろから歩いてくる生徒が伊能先生に挨拶する。





「おはよう。じゃあ、後でな」



当たり前のセリフ。けれど、私は毎朝それにドキドキしている。





「はい」
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