ごめんね、ありがとう…先生

2.流れる雲―鈴奈side―

「沙衣」
「なに?」
「今日、うちに来ない?話したいことがあるから」









鈴奈から言われて鈴奈の家にいる。


















「あのね……。私、本当は高校卒業したらアメリカに留学したいの」
「留学?アメリカに…?」
「うん。ずっと考えてた。英語の勉強がしたいって」
「英語だけは、ずば抜けて良いもんね。鈴奈」
「最初は、日本の大学で英語の勉強したいって思ってたけど、何かどこもしっくりしなくて…」

「それで、留学か。凄いよ」
「うん。でも…お父さんがね、反対…っていうか」
「まぁ、反対しないほうが不思議だけど」
「もう二度と日本に戻ってこないんじゃないかって心配してて」
「鈴奈は戻って来るつもりなんでしょ?」
「うん。長期休暇中は帰ってくるつもりだし、卒業してから数年だけ向こうで仕事はしたいけど、長くても10年くらいで帰ってくるつもりなんだけど…。子離れしてほしいよ」




















鈴奈がためらうのにはもう一つ理由があった。
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