先生だけ
1時限目

4月。


あたし、葉月 実璃は高校生になる───。















「もう…このスカート丈ありえない!!入学ずっとから服装、服装って頭おかしくなるし!!……」


スカートの裾をぴらぴらさせながら前の方で服装を注意される子を眺めてた。

「仕方ないよ、ここ私立だし女子高だもん─。」

そう苦笑いしながらあたしの方を叩く麻結。
麻結は入学して近くの席ですぐに打ち解けた友達だった。
「そうだけどさ〜、なんか青春したかったなぁ〜」

憧れてた高校生活とは全くかけ離れた世界。
むしろ、自分が通ってた懐かしの中学校の方がましだと思った。

「なに笑ってんの?気持ち悪い」
麻結に突っ込まれてしぶしぶ前を向くといつの間にか自分の番だった。


「スカートは〜折ってないわね?」
「眉毛は?」


あぁだこうだ言ってる先生たちの中で一人の先生と目があう。


「葉月〜、お前いい子だったっけ?」

そう笑いながらあたしの頭を撫でる先生。



あたしの大好きな山木先生。




山木先生は何をするでもなく他の子にちょっかいだしてた
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