【長編】Milk Tea
渡里 Side
尚に美麗ちゃんを送ってくれと頼まれて、成月と一緒に美麗ちゃんを送る事になった。
成月の我が儘に付き合う事になって、3人でカラオケに行く事になった。
オレは美麗ちゃんと話しながら街を歩く。
オレの話しに耳を傾けてくれる美麗ちゃんの顔が可愛らしくて。思わず赤面しそう。
楽しく会話をしていたのに、突然美麗ちゃんは足を止めた。
それに気付いてオレが振り返ると、美麗ちゃんの顔からはいつもの笑顔が消えていた。
「美麗ちゃん?大丈夫?顔、真っ青だよ?」
いつも桃色の頬の白い肌の顔は真っ青で。
小さな体は小刻みに震えていた。
……どうしたんだろう。
そう思ったオレに美麗ちゃんは、
「ごめん……あたし……、帰る」
そう言っていきなり走ってその場を去ってしまった。
「美麗ちゃん!!?」
驚きつつもオレは美麗ちゃんを追いかけようとした。
その時何気なく美麗ちゃんの見ていた方を見ると、そこには尚と……梨佳の姿があった。
尚は美麗ちゃんの後ろ姿を見つめながら、“美麗”と呟いたのはオレの気のせいなんかじゃないはず。