【長編】Milk Tea
「泣いてんだろ」
「泣いてない」
「嘘つくんじゃねぇよ!」
「嘘じゃないもん!!」
嘘だってバレバレなのは分かってる。
でも今強がってないと、尚に想いを伝えてしまいそうで。
大声で言い放ったあたしに尚は驚いたような表情を見せた。
「何……強がってんだよ」
「強がってなんかない……」
言っちゃいけない。
尚は優しいから、あたしの想いを知ったらきっと戸惑う。
そしたらもう元になんて戻れないから。
そんなの想いが伝わらない事以上に悲しいから。
「言ってくれよ……」
泣き出しそうな顔でそう呟く尚。
その表情を見た瞬間、あたしの何かがプツンと音をたてて切れた。
……叶わないって分かってるけど。
このままなんて無理だよ。