【長編】Milk Tea
「尚が好きなの……」
言ってしまった。
もういいんだよね。
叶わないのは分かってる。でも……。
この想いは大き過ぎて心に閉まっておけない。
ごめん。困っちゃうよね。
大切な人がいるのに……。
「……馬鹿野郎」
その瞬間、尚は優しくあたしを抱きしめた。
涙が溢れて止まらない。
「うっく……うぅ~」
尚の香りがあたしを包んでる。
尚の腕があたしを抱きしめてる。
尚の吐息があたしの首に当たってる。
何で尚はあたしを抱きしめてるの?
すると尚はギュッとあたしを引き寄せて呟いた。
「馬鹿だな……俺」
何でよ。
嗚咽のせいで言葉が出なくて、心の中で質問する事しかできない。