【長編】Milk Tea
「座って話そうか」
その優しい笑顔を見て、あたしは緊張が解けた気がした。
「うん」
ゆっくりと椅子に腰掛ける。
「そういえば、渡里君。何してたの?」
保健室じゃなくて外にいたっぽかったし。
すると渡里君は微笑みながら答えてくれた。
「咲と電話してたんだ」
「咲ちゃん元気?」
久しぶりに咲ちゃんの名前を聞いて、そう聞くと渡里君は笑顔を見せてくれた。
よかった……元気なんだね。
ホッとしていると、渡里君は今度あたしに質問してくる。
「で?美麗ちゃんは何を知りたいのかな?」
……う。
渡里君やっぱり鋭い。
苦笑いを浮かべつつ、あたしは勇気を出して聞いてみた。
「江連って人とあいつって誰なの?」