【長編】Milk Tea
「お前の気持ちはその程度って事だな」
そう何だろうか。
あいつの言葉に俺は何も言わなかった。
それだけを言って去って行った江連の後ろ姿を見送った後、ゆっくりと琴羽が教室に入って来た。
「あれ?尚まだいたの?」
美術部に入っている琴羽は荷物を取りに教室に戻って来た。
すると琴羽は俺を見上げて微笑んだ。
「一緒に帰ろ?」
そう言われて俺は一緒に帰る事にした。
帰り道の途中。
冬が近づいて寒くなって来て、チラッと見ると琴羽の手は冷たそうだった。
だから俺は道端にある自動販売機を見て、琴羽に言った。
「寒いし、暖かいのでも飲むか?」
「そうだね」
俺は財布を取り出して聞く。
「何がいい?」