【長編】Milk Tea
美麗 Side
「待って……?今……阿山凛って言った?」
その名前を聞いて、あたしは放心状態になった。
「美麗ちゃん……阿山の事知ってるの?」
あたしが泣いてる時……何で泣いてるのかも聞かずに慰めてくれた人。
あたしが苦しい時……解決へと導いてくれた人。
その人が……。
鈴蘭高校を敵対してる桜蘭高校のトップだなんて。
「あたし……前に会ったの。凛に」
「え!?」
だって……あの人も、阿山凛って言ってたもん。
動揺が隠せないでいると、渡里君は尚の過去を話してくれた。
凛と尚が幼馴染って事。
江連と尚が同じ人を好きだったって事。
好きだった人が凛の妹で、その妹が交通事故で亡くなった事。
それを尚が自分のせいだと思っている事。
妹の死をきっかけに、凛と尚がお互いを避ける様になった事。