【長編】Milk Tea



佑騎 Side



久しぶりに美麗に会って、おれは感じた。



やっぱり尚さんには敵わないんだって。



自分の情けなさが恥ずかしくて、おれはその場を立ち去りたかった。



そんなおれの目の前に……あいつが現れた。



江連那智。



尚さんを嫌う男。



鈴蘭を敵対する桜蘭の2番。



気が付くと1人中庭に倒れていて、美麗も江連もいない事に気づく。



やられた……。



美麗が誘拐された。




薬品を嗅がされたせいで麻痺した体を必死に引きずって、おれは尚さんの元に向かった。



体が思うように動かない。



すごく重く感じて、10キロ以上の重りを全身につけている感じがする。



くそ……早く伝えなきゃいけねぇのに。



動かない体に苛立っていると、おれの目の前に渡里さんが現れた。



「くっ……渡里、さん……!」





< 198 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop