【長編】Milk Tea
すると江連はあたしに手を差し出すと言い放つ。
「携帯貸せ」
その言葉に反応した、ガラの悪い連中があたしのブレザーのポケットに手を突っ込んで携帯を奪った。
「何する気よ」
そう聞くと、江連はあたしの携帯をいじりながら口を開く。
「桐生に居場所を教えてやんだよ……送信っと」
送信し終えると、あたしに乱暴に携帯を投げつけた。
そして江連はあたしに背を向けて、向かい側のソファに歩み寄っていく。
悔しい……。
あたしが弱いから、尚に迷惑かけた。
ムカつく……。
何でこんな奴にこんな誘拐されなきゃなんないのよ。
尚、ごめんね。
あたし、ホントに尚に迷惑かけてばっかだ。
あたしは目頭が熱くなって目をフッと閉じた。
そんなあたしを見て江連は笑う。