【長編】Milk Tea



笑い声が気味悪く、部屋に響き渡る。



その狂ったような姿に少し恐怖を感じたけど、あたしは力強く言い放った。



「卑怯な手使ったってあんたは尚には勝てない」



「あ?」



あたしの言葉を耳にして、江連はあたしを睨み付ける。



尚は誰よりも優しくて。



誰よりも強い。



卑怯な手を使って喧嘩挑もうとする奴なんかに負けたりしないもん!



すると江連はあたしに近づいて来てあたしを見下ろす。



「ふーん……お前自分の立場分かってんの?」



冷たい視線であたしを見つめる。



その視線から逃れてしまいたかったけど、あたしも負けじと見つめ返して口を開く。



「あんたがどうして琴羽さんに好きになってもらえなかったか分かる?あんたは尚と違って、尚を蹴落とす事しか考えてなくて、肝心な琴羽さんへの思いやりをしなかったからよ!」



バン!!!!



大きな音が江連が壁を蹴った事によって部屋に響く。



ビクッとして目を瞑ると、あたしの胸座を江連が掴んできた。



「お……前に何が分かるんだよ?知ったような口利くんじゃねぇ!!」






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