【長編】Milk Tea
この人は……ただ人を愛しすぎてしまって、それが憎しみに変わってしまっただけ。
ちゃんと話をすれば分かってくれる。
そう……江連の死んだような瞳を見て思った。
「確かに昔の話なんて知らない。でも琴羽さんの事聞いて分かるの。琴羽さんの気持ち……」
同じ女として。
同じ人を好きになった人間として。
分かるの。
「だから知ったような口利くな!!!」
そう怒鳴って江連はあたしの上に馬乗りになった。
「悪いけど……あんたおれを完璧怒らせたみたいだ」
そう言って不気味に微笑んだ。