【長編】Milk Tea
尚 Side
美麗を助けようと外に飛び出してきたけど、手がかりは1つもない。
「あぁ!美麗の奴どこに連れてかれたんだよ!」
手がかりがなく行くあてもない事に苛立っている成月。
そんな成月を俺は横目で見る。
今ならこいつの気持ちも痛いほど分かる。
助けたいのに助けられない。
姿を見たいのに見れない。
触れたいのに触れられない。
……美麗。
すると成月を見て、渡里が口を開いた。
「江連の溜まり場は学校か、大手デパートの隣の倉庫だって聞いた。多分そこ等にいると思う」
そう言っている時、俺は自分の携帯が震えているのに気付いた。
ポケットから取り出して開くと、1件のメール。
……美麗からだ。
〝To 美麗
Subject 無題
櫻井美麗は預かった。
助けたければ、桜蘭高校2-Aの
教室に来い。
1時間だけ待つ。 〟