【長編】Milk Tea



放課後。



あたしは渡里君に一緒に帰ろうと誘われたけど、断った。



何となく……今日は1人で帰りたかった。


ううん。違う。

お昼の話を聞いて2人とあまり関わってはいけないって思った……から。



怖いとかそんな事でじゃない。


今まで何もなく過ごしてきたあたしの防衛本能っていうか……。



とにかく住む世界が違う。



そう思った。



あたしは少し屋上で風に吹かれて気持ちを落ち着かせてから再び教室に戻った。



教室に入ろうとした瞬間。



あたしは足を止めた。





正式に言えば、時が止まった……。






あたしの席の後ろの席に堂々と座っている男。



ミルクティー色の長めの髪は窓際の方だけ夕日で金色に輝いている。


細いスッと上がった眉に吸い込まれそうな茶色の瞳。


今まで見た事がないくらいの整った顔。



あまりにも綺麗過ぎる容姿の男に、あたしは心を奪われてしまったんだ。









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