【長編】Milk Tea
甘えん坊尚
いつもの屋上に連れてこられて、尚は手すりに寄りかかって座り込んだ。
あたしもその隣に座ろうとしたけど、スカートが汚れそうだったから、その隣に立ったままでいる事にした。
何も言わずに座り込んでいる尚から感じる威圧感。
あーあ。
完璧怒ってるよ。
呆れた顔をしてその尚の顔を見下ろしていると、尚は口を開いた。
「いくら渡里とかだからってお前無防備すぎんだよ」
「そんな事ないよ」
そう否定をすると尚はあたしを見上げる。
あたしを見上げているから、自然に尚は上目遣いになる。
うわー。
上目遣いは女の武器とかいうけど、男でも十分武器だよ。
てか、尚がやったら凶器だよ。
思わず顔が赤くなってしまう。
するとその視線を逸らさずに尚はあたしに両手を差し出した。
「起こして……?」
って、可愛い!可愛すぐるぅ!!!
「う、うん」
手を引っ張って立ち上がらせると、その反動を利用して尚はあたしを抱きしめた。