【長編】Milk Tea
視線の先
転校して来て、1週間が過ぎた。
最近……悩みが出来た。
それは“友達”ができないって事。
まぁ、女子が少ないってのも理由だと思うし?
数少ない女子にはギャルばっかってのもあるし?
でもあたしはそれだけじゃないって思うんだよね。
理由は簡単。
「おい、美麗。ジュース買ってこいや」
そう言って偉そうにあたしの左隣の席の机に足を乗せている成月。
「いい加減にしろ、成月。美麗ちゃんに優しくしろよ」
そう言ってあたしを庇う右隣の席の渡里君。
「……」
それを黙って見ている後ろの席の尚。
こいつ等が、あたしの近くにいるからだ。
理由はそれしかない。
鈴蘭を仕切っている3人を恐れて男子は避けるし。
かっこいい3人の近くに居るあたしを気に食わなくて女子は避けるし。
はぁ……。