【長編】Milk Tea
「うん。平気だよ。両親は海外に転勤で……お父さんの所有のマンションに住む事になって、ここに引っ越してきたの」
そう答えると、渡里君は“そうなんだ”って言った。
すると驚いたように成月は口を開いた。
「って事はお前……結構金持ちなんじゃねぇの?」
「え?」
「だって……マンション所有とかさ」
「まぁ……そこまでじゃないけどね」
そう言った頃。丁度マンションの前に着いた。
モダンな造りのマンションで20階建て。あたしの部屋は最上階にある。
そのマンションを見て3人は固まっている。
「そんなに驚かなくても。あ、そうだ。よかったら上がってく?」
マンション20階。
エレベーターで上がって着くと、そこには1つしか部屋がない。
あたしの部屋だけ。
「っとにすげぇな」
その成月の言葉にあたしは苦笑いする。
「はい。どうぞ」