【長編】Milk Tea



新発見。



成月は、かなりの甘党らしい。



怖い顔して……意外。



でももっと意外だったのは。



「尚がミルクティー飲むなんてって顔してるね」



渡里君があたしの心を読んだように口を開いた。



あたし……顔に出てた!?


やば!



ギョッとしてあたしは持っていたピンクのマグカップを落としそうになった。



するとそんなあたしを見て、クスクス笑いながら渡里君は言った。



「尚は、ミルクティーが大好きなんだよ」



尚が……。

あ。



あたしはふと尚の髪を見つめた。



「だから、髪ミルクティー色なの?」



そう尚に聞くと、尚はミルクティーを口に含みながらあたしを見た。



「それもあるけど……」



それもって事は他にも理由があるって事?



そう疑問を持って聞こうとした時、あたしは出しそうだった言葉を呑んだ。



だって……尚は切なげに何かを見ている様だったから。




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