【長編】Milk Tea
あたしは渡里君の茶色の髪を撫でた。
すると渡里君はあたしの腰に腕を回して呟いた。
「ごめん……今だけ、こうしてて」
その震えた声に、あたしは優しく言う。
「うん」
しばらくして落ち着くと渡里君は、あたしから離れて申し訳無さそうに謝ってくる。
「ごめんね?」
「何で謝るの?あたし謝られる事された覚えないよ」
そう言ってあたしは微笑んだ。
すると渡里君は困ったように笑った。
「メール返事できなかったけど、ありがとね」
「あ……何か内容ないメールでごめんね」
頭の後ろに腕を回して笑うと、渡里君は首を振った。
「ううん……すごい嬉しかった」
「役に立ったならよかった」
そう言った瞬間……。
あたしは渡里君に抱きしめられた。