【長編】Milk Tea
連れてこられたのは病院だった。
「渡里君……ここは?」
そう聞くと、渡里君は病院を見上げながら言った。
「オレの元カノ……咲が居る病院」
元カノって咲さんっていうんだ。
あたしはその時初めて名前を聞かされた。
渡里君に着いて行くと、個室に着いた。
コンコン。
静かにノックをすると中から、
「はーい」
って高い声が聞こえてきた。
ほんの少し……緊張してる。
だって、あたしがここに来た理由はっきり言って分からないし。
渡里君はゆっくりと扉を開けた。
少しずつ見えてくる部屋の中。
「あ、渡里」
見えてきた女の子はとても大人っぽくて、ベットに座っていた。
お嬢様って感じですごく清楚。
黒髪はつやつやしている。