【長編】Milk Tea
第二章 膨らむ想い
挑発…優しさ
教室に向かっている間。
重い沈黙が2人を包んだ。
何か……いつもより息が詰まる。
あぁ~何かしゃべるべきなんだよね。あたしが。
だって尚から話すって事しないし。
悩んでいると後ろから声をかけられた。
「尚さん!美麗!」
その声に2人で振り返ると、あたし達の方に佑騎が走ってきた。
「佑騎?走って大丈夫なの?」
昨日の事があって佑騎の体にはあちこちに絆創膏や湿布が張ってある。
走って……大丈夫なのかな。
そう思いながら前で立ち止まった佑騎を見つめる。
すると佑騎は尚を見つめて口を開いた。
「尚さん……ちょっと美麗貸してくれませんか?」
は?貸してくれませんか?
「あぁ……別にいいけど」
って尚!
あたしの事貸すのぉ!?
少しムッとしていると、佑騎は頭を提げて尚に御礼をしている。