昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
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久しぶりに、夢を見た。
昔の夢。
制服着とったから多分中学か高校ん時で、季節は夏で。
ばあちゃんちの冷房は古くてなかなか効かへん。
わずかな風を求めて、夕暮れの縁側でぐったり横になってくつろいどった。
ミシって、足が床を踏みしめる音。
「かっちゃん。なんでそんなトコで死んでんの」
チラッと振り返ったら、そこには仁王立ちしたイトコのゆうがおった。
寝返りをうって、ゆうのおる側を向く。
「…なんか用け」
「ん」
「え?」
不機嫌そうにつき出されたのは一通の封筒。
かわいらしい、クマのシールが貼ってある。
「頼まれてん。四組の斉藤さんが、かっちゃんに渡してって」
ん、とまた鼻先につき出された封筒。
どうやら、自分宛のラブレターらしかった。
「あ〜……今なぁ、俺暑くて手ぇ動かすんもダルいねん。ゆう、朗読してか」
「顔踏むでなかっちゃん。…あ〜もうなんでこんな最低男に騙されるんやろみんな…っ!!」
ゆうは顔を歪ませて地団駄を踏む。
「っていうかなぁ!?かっちゃんのせいでこんな配達役押し付けられるしなぁ、この前なんか二組の小川さんに呼び出されて──」
「赤のチェック」
「は?」
「いや、さっきからパンツ丸見えやで。ポジション的に。」
そう言うと、ゆうの顔は一気にバーって赤くなって、瞬時、足のかかとが顔の真上に落ちてきた。
久しぶりに、夢を見た。
昔の夢。
制服着とったから多分中学か高校ん時で、季節は夏で。
ばあちゃんちの冷房は古くてなかなか効かへん。
わずかな風を求めて、夕暮れの縁側でぐったり横になってくつろいどった。
ミシって、足が床を踏みしめる音。
「かっちゃん。なんでそんなトコで死んでんの」
チラッと振り返ったら、そこには仁王立ちしたイトコのゆうがおった。
寝返りをうって、ゆうのおる側を向く。
「…なんか用け」
「ん」
「え?」
不機嫌そうにつき出されたのは一通の封筒。
かわいらしい、クマのシールが貼ってある。
「頼まれてん。四組の斉藤さんが、かっちゃんに渡してって」
ん、とまた鼻先につき出された封筒。
どうやら、自分宛のラブレターらしかった。
「あ〜……今なぁ、俺暑くて手ぇ動かすんもダルいねん。ゆう、朗読してか」
「顔踏むでなかっちゃん。…あ〜もうなんでこんな最低男に騙されるんやろみんな…っ!!」
ゆうは顔を歪ませて地団駄を踏む。
「っていうかなぁ!?かっちゃんのせいでこんな配達役押し付けられるしなぁ、この前なんか二組の小川さんに呼び出されて──」
「赤のチェック」
「は?」
「いや、さっきからパンツ丸見えやで。ポジション的に。」
そう言うと、ゆうの顔は一気にバーって赤くなって、瞬時、足のかかとが顔の真上に落ちてきた。