昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
「…風間の服、なんかええなぁ。」
一緒にお昼食べとるときにそう言うたら、
「じゃあいっつもよく買う店一緒行く?」
って、風間が言うてくれてん。
着いたんは、男女両方のカジュアルな服が置いてある店。
雰囲気からして、「ここ、おしゃれさんしかいませんで〜」みたいなん。正直、居心地悪い。
しかもやっぱり、な。
値札見てみ。
ゼロ多いって。ウソやろそこの水玉のシャツ薄っぺらいのに一万いくって…!!
「えええ〜…ほんまに着るん!?」
更衣室前に拉致られたけど、足が進まん。
だってワンピースとか一種のバツゲームやんか。
「ええやん。着てみるんはタダやって」
「着るん?この服を?ウチがぁ?」
「…どんだけイヤやねん。優子はこういうのんも絶対似合うよ。」
いやいや絶対おかしいから。想像しただけで失笑モンやから。
でもにっこり、笑顔つきで言われたら。
「……わか、った。」
…渋々やけど、着替えるしかないやんか。
久しぶりの、ひっさびさに更衣室なんかに入る。
カーテン閉めて、一息。
自分の着ていた白の七分丈シャツに手をかけた。