昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
…やられた。
口をパクパクさせて、仁王立ちするウチ。
そんで風間はめっちゃ、めっちゃあまったるーい顔で笑って。
「めっちゃ可愛ええやん」
…ほら、やっぱりそういうこと言うねんな。
風間のこと、だんだんわかってきた気がする。
次こんなこと言うやろなーとか、するんちゃうかなーとか。
…風間と付き合い出して、なんだかんだでどんどん日は過ぎてたから。
友達でおるときは、風間ってめっちゃサバサバしたイメージやってんけどな。
実はけっこーひっつきたがりやったりする。
可愛いとか、好きとかめっちゃ言うし。
外で手とか繋ぎたい派らしいし。(羞恥死にしそうやからウチが全力で拒否したけど)
下の名前で呼んでとか言うし。(無理無理、今さらどの顔さげて呼べっつー話や)
…やから、つまり。
風間と付き合ってるっていう実感が、やっとわいてきたといいますか。
苦笑いとあきれ顔を混ぜたみたいな顔で風間を見たら、風間はにっこり笑って。
「こういうなぁ、内緒っぽいとこでするん、ドキドキせん?」
「……?なにを?」
ちゅ。
「……………!?…!!??」
「……ふっ」
「……!!……んな…っ、」
「優子。」