昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


…やられた。


口をパクパクさせて、仁王立ちするウチ。


そんで風間はめっちゃ、めっちゃあまったるーい顔で笑って。




「めっちゃ可愛ええやん」



…ほら、やっぱりそういうこと言うねんな。




風間のこと、だんだんわかってきた気がする。


次こんなこと言うやろなーとか、するんちゃうかなーとか。


…風間と付き合い出して、なんだかんだでどんどん日は過ぎてたから。



友達でおるときは、風間ってめっちゃサバサバしたイメージやってんけどな。


実はけっこーひっつきたがりやったりする。

可愛いとか、好きとかめっちゃ言うし。

外で手とか繋ぎたい派らしいし。(羞恥死にしそうやからウチが全力で拒否したけど)

下の名前で呼んでとか言うし。(無理無理、今さらどの顔さげて呼べっつー話や)



…やから、つまり。



風間と付き合ってるっていう実感が、やっとわいてきたといいますか。



苦笑いとあきれ顔を混ぜたみたいな顔で風間を見たら、風間はにっこり笑って。



「こういうなぁ、内緒っぽいとこでするん、ドキドキせん?」

「……?なにを?」







ちゅ。






「……………!?…!!??」

「……ふっ」

「……!!……んな…っ、」

「優子。」


< 191 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop