昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

風間のことわかってきたとか言うたばっかやけど。



…うん。これは、予想外でした。



「服、買おうや。似合とるよ」

「……………風間のアホ……」

「今度の旅行に着てってや。な?」


「………買ってもええけど、パジャマにするでな」



…まぁ、せやから、なんやかんやで仲ええし。


なんやかんやで楽しいし。

なんやかんや、幸せな気ぃするし。




…めっちゃうまく、いっとるんやと思う。




あ。そうそう、もうすぐに迫っとる今度の夏休み、旅行も行くことなったしな。

風間がパンフレットめっちゃ大量に取ってきて、あとのごみ捨てが大変やったんや。

ゴミ…あー、そろそろまとめて捨てな袋いっぱいなっとったよな……






「…とか、ゆうとる場合やないんやって!!」

「えらい必死やな、優子。」


講義室で机の上に這いつくばってたら、同じ学科の子に不思議な目で見られた。


這いつくばって見てるのは、仕事情報誌。

ほらあの、街にタダでおいてあるやつな。


並ぶ項目。

週三回

短期バイト。

日払い。

経験者優遇…


「あれ。バイトするん?優子いっこバイトしてなかったっけ」


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