昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
駆けつけた工場長が、他の人になんやかんや指示出してる。
いきなり目の前で起こってることが、理解できへんかった。
…だってかっちゃん、体だけは丈夫で。
カップヌードルばっか食べとるくせに、風邪とか引かへんし。
もちろん倒れたことなんてない。
エイプリルフールに"ばーちゃんの腰抜かそう大作戦"とか言うて、気ぃ失ったふりして倒れたくらいしかないやんか。
どんどん白くなってくかっちゃんの顔に、ウチはパニックになってただその場に座り込んどるしかできんくて。
ピーポーピーポー。
誰かが呼んだ救急車のサイレンの音がする。頭ん中でぐるぐる回る。
──時刻は夜中の0時すぎ。
日にちは、ちょうど、ひとつ足を進めてた。