昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
───あかん。
頭の中で警報が鳴る。
目下にあるかっちゃんの熱っぽい顔。
…なんなんこれ、ウチがかっちゃん押し倒したみたいになっとるやん。
赤いランプがチカチカ、点滅して、そんな風に本能的に危険を察知しとるのに。
「…ゆう」
「………っ、」
…こんなにも、じゅわじゅわ溶けるみたいに。
胸の裏っかわが痛いのは、なんで。
「ゆう」
「…かっち──、っ」
頭を強く押さえつけられて、唇が重なる。
─ゆう、ゆう、て。
キスと呼吸の合間。
うわごとみたいに、ウチがここにおるかどうかたしかめるみたいに…何度も。
…何度も呼ぶ、ウチの名前。
「……ん、ふっ……」
「…っ、ゆう…」
「はっ…、ちょお待っ……」
「ゆう……、ゆう、アカン、おれ……っ、」
「………っ!!」
「おって。ここ、おって……ゆう、」
頭の芯がぼやける。
固さを失って、今にも崩れそうな。
あかんって。
あかんってウチ。
このままじゃ熱くておかしなる。
このままじゃ、かっちゃん。って。
…呼びかけに応えてしまいそうになる。
「〜〜〜〜っ!!」