昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
いきなり優子が授業休んで、連絡もつかんかったから心配で。
バイト先から優子んち直行して、家の前で待ってたら…
ふたりが、一緒に帰ってきて。
そん時の気持ちは…うん。
多分、嫉妬。
付き合ったばっかやのに、めっちゃカッコ悪く妬いてしもてん。
そしたら、優子は気づいてて。
そしたら…優子が言うて。
「ちゃんと、かっちゃんに言うたから」って。
「風間と、付き合ってるって言うた」…って。
…はじめて、キスをした。
優子に触れた。
はじめて。
死ぬか思た。
余裕の無さにもほどがある。
『俺とゆう、風間くんよりずーっと前から、シてたよ。』
「………っ」
前髪をくしゃっとかき混ぜる。
あん時の気持ちは、嫉妬やない。妬くとか、そんな可愛らしいもんやなかった。
どういうこと。どういう意味。っていうか、今目の前で起きてることはなに。
優子の姿見て、気が付いたらまさるくんを殴ってた。初めて、あんな本気で人殴った。
今まで一緒におったこととか、もう全部が全部、うそやったみたいに思えて。