昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
なんで、とか、そんな疑問ばっかが浮かぶ。
…なんでそんな強いんやろ。優子は。
なんでしんどいことにも、正々堂々と向き合おうとするんやろ。
だって自分の弱いとこさらけだすんて、めっちゃしんどいから。
…怖いのは、多分優子も同じやろ。
「ウチな、今まで風間に黙ってた。…かっちゃんのこと。ただ好きなだけやなくて、そういう…なあなあな関係やったって。やから、騙してたようなモンやと思てる」
「………」
「好きっていう気持ちも、きっと体を繋げてからや。もしかしたらそういうことなかったら生まれてなかったかもしらん。…そういう最低な女やねん、ウチは」
「………」
「でも風間と付き合ってからは、そういうことなかった。…こんな言い訳じみたこと言いたないけど……でも」
───でも。
「ウチ…あの旅行の日の晩、かっちゃんのこと拒めへんかった。」
「………っ」
「動けへんかったとか、そういう物理的なこと取っ払って。…気持ちが、完全に拒めてなかった。」
…ほら、な。
いつだって正直で、
自分を守らんと…相手より自分が、傷つこうとすんねん。