昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

そんでも優子を責めとるとか、落ち込んどるとか思わせたくなくて、いつも通りの笑顔を引っ張り出そうとした……そん時。


「……せやから、風間」

「…ん?」

「風間も、言うて。」



優子が続けた言葉に、つばを飲んだ。



「言いたいこと、全部言うて。風間、いっつも自分の気持ち後回しにするやんか。…〜ウチが言うのおかしいかもしれんけどさぁ!」

「………」

「もっと自分のん、大事にしてや。ワガママんなってや。本音、聞かせてや。」

「……ま、さ」

「周りとか相手のこと気遣って、押し込んで、そしたら風間の気持ちがかわいそうやんか。……何言うとるかよーわからんけど!!」


文章力ほんまないなぁ、ウチ。

そういってもどかしそうにするけど、優子の言いたいことは全部。


「せやから…風間も、聞きたいことあったらなんでも聞いて。」



言葉だけやない。
表情からも、しぐさからも、伝わってる。



…なんでも聞いて。
なんでも。
なぁ、なんでも思てること言うて。


…勝手にひとりで、不安になったりせんで。



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