昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
そんなこんなでウチはかっちゃんとなあなあな関係になってしまって、今でもそれはずっと続いとる。
別にええかなって思う自分もおって。彼氏がおるわけちゃうし、かっちゃんも彼女おるときは手ぇ出さへんって約束やし。
でもどっかで、止めなアカンって。
いい加減止めなってわかってるのに、ズルズルズルズル。
好きなわけやない。かっちゃんも、うちも。
今思えば、あの時かっちゃんはただ寂しかっただけなんやと思う。
ちっさい頃からずっと一緒におって、何だかんだで自分の味方やったウチが、離れていってしまうことが。
そんで駄々こねとっただけやねん。なのに情にほだされてしもたウチはほんまアホ。ただのアホ。
アパートに帰らんかった理由は、怒ってたからと、それと。
クリスマスのあの日。
かっちゃんが男なんやって意識してしまった自分が、怖かったから。
"ゆう"
かっちゃんの唇は、乾燥してカサカサに渇いてた。
かっちゃんの手のひらはゴツゴツしてて、やっぱりちょっと冷たかった。
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