昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
一瞬、頭真っ白になった。
なに…?
なにを言うてんの、コイツは。
パーン!!て思いっきし頭はたいて、怒鳴り散らした。
「〜他にヤッとる男なんかおらへんわっ!!お前と一緒にすんなドあほっ!!」
「え……」
「だいたいウチが今まで彼氏おらんかったことくらい知っとるやろ!?」
そこまで叫んで、なんやしまった、と思った。
かっちゃんがニヤーって、うっとおしい笑みを浮かべてたから。
「ふーん…」
「な…なによ…」
「へ〜え…」
「…気持ち悪いなっ!やから何って───」
「…てことはゆう、俺以外経験ないんや?」
…うん、殴ったよ?
もちろんグーでな。
昨日発覚したことやけど。
かっちゃんはあろうことか、ウチの初めてを奪ったっつー自覚もなかってん。理性なんかカケラも感じられへん。
ホンマにホンマにムカついて。
「ウチやって気合い入れれば彼氏の一人や二人すぐできるわ!!」
とか、根拠のない発言をかましてしまった。
…そんなこんなな出来事があった一昨日。
そして今日、ふいに舞い込んできた風間のお誘いに飛びついてしもたってワケや。
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